困っているけどお問い合わせしない理由

なぜ困っているのに、チャットでお問い合わせしないのでしょうか。

困っていない人がチャットをしない理由はわかります。チャットで問い合わせをする理由がないからです。

では、困っているのにチャットを使わないのはなぜなのか。理由は様々考えられますが、いくつか列挙して、理由を考えてみましょう。

  1. チャットの存在に気付かない(未認知)
  2. 問い合わせをすること自体にネガティブ
  3. なにが分からないかがわからない

ひとつめの「チャットの存在に気付かない」のは、サイトの運営側の責任です。当たり前ですが、チャットで問い合わせを受けたいのであれば、わかりやすいところに入り口を作るのは当たり前のことだと想像できます。この問題に気付くことができれば改善は簡単で、要は様々な場所に入り口を設け、どこからの流入が一番多いかを明らかにすればよいでしょう。

問題となるのは、ふたつめとみっつめです。

まず、ふたつめですが、「問い合わせをすること自体にネガティブ」というのは、誰しも経験があることだと思います。「果たして回答が返ってくるのか」「どうせ電話しないとだめなのではないか」「問い合わせをすること自体が恥ずかしい、したくない」など、ネガティブというところを掘り下げると様々な表現が浮かびます。

ただ、解決策はありそうです。

ひとつはチャットをユーザーからではなく、サイト運営側から開始することです。LINEに未読があると落ち着かない人がいるように、送られてきたメッセージを無視することは案外ストレスになります。ましてや、チャットという1対1の会話であり、吹き出しに書かれたテキストの向こう側に人がいることを考えると、なかなか無視を決め込むことは難しいでしょう。

もうひとつの方法は、最初の方法と似ていますが、ユーザーからアクションをしやすくしてあげる、という方法です。たとえばLINEスタンプのような、クリックすれば画像を送れるようなバナーにしておくことで、ユーザーから発信するというハードルを極限まで低くするという方法です。クリックするだけでしたら、だいぶ心理的ハードルが下がりそうですね。

とはいえ、良いところがあれば良くないところもあり、この方法だと、本来想定している問い合わせ以外までも増大することが予想できます。これをうまく制御するのは、やはりデザインと検証になってくるでしょう。どのデザイン(バナーデザインも、コミュニケーションデザインも)であれば、本来想定しているお問い合わせだけを伸ばすことができるか。これを見極められるには、忍耐が必要な作業です。

さいごの問題に戻りましょう。「なにが分からないかがわからない」でしたね。

このユーザーの根底にあるのは「不安」です。不安なのであれば、安心できる情報を与えるのが有効です。たとえば、このページでよくある質問を入り口に仕込むというのも方法のひとつです。チャットにつながるバナーに、想定されうる複数の質問をボタンの形で作って、クリックすれば自動でメッセージが送信される、といった座組も有効でしょう。重要なのは、ユーザーの目線に立って「このページを見てなぜ不安であるのか」を考えることです。このプロセスを経ることで、効果的にお問い合わせを増やすことができるようになるでしょう。

困っているけどお問い合わせをしない理由は様々です。ほかにも理由はきっとあるでしょう。しかし、どういったチャット窓口であっても、困っているけどお問い合わせをしな人々を放置するのは悪手です。トラブルシューティングを行うのが目的であれ、購買させるのが目的であれ、その目的をROIをもって達成させるためには、困っているけどお問い合わせをしない人々に、チャットを使ってお問い合わせをしてもらうことを諦めてはいけません。

チャットを使ってもらえないことには、チャットで効果を出すことは不可能なのです。

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