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マーケティングチャットとは

ここまで特に説明せずに「マーケティングチャット」という言葉を、タイトルにも記事の中にも使ってきたが、改めてなにを指しているのかを考えてみる。 マーケティングチャットは、「チャットでマーケティングをする」「マーケティング目的のチャット」と読み替えるのが自然だろう。いずれの場合も、目的としてはマーケティングということが共通している。 では、サポートチャットは「マーケティング」ではないのかといえば、そういうわけでもない。サポートを通じて、顧客は企業好意を高めることに繋がるし、商品を購入することにだって繋がりうる。したがって、マーケティングチャットは、サポートチャットの延長線上にあるものではないかと考えられる。 そうなると、「マーケティング」という意味の伝わりにくい単語が付いているからといって、難しく考える必要性は皆目ない。本質的にはサポートチャットと、行っていることは同じなのだ。違いをあげるとすると、問題解決に終始するのではなく、その先あるいはその前まで考えを巡らせることくらいだろう。 その意味で、チャットをカスタマーケアのチャネルとして始めている企業は、すでにマーケティングチャットを始めているといえる。すでに一歩は踏み出している。あとは、もう一歩をどう踏み出すか次第なのではないだろうか。

サポートチャットからもう一歩踏み出そう

前回は「チャットをしない人」について取り上げたが、このことを考えるだけでも、受身的なサポートチャットから一歩抜け出せている。 今回はさらに踏み込んで考えて、よりサポートチャットから抜け出してみよう。 前回は、チャットをしない人という「入り口」のことを考えたので、今度は「出口」のほうに目を向けてみることにする。 サポートチャットという言葉を、トラブルシューティングを目的とするチャットという意味で使ってきた。したがって、サポートチャットの出口は「顧客の問題を解決する=トラブルシューティングをする」ことになる。 出口は一応トラブルシューティングということになるのだけど、一旦置いといて、さらにその先にはなにがあるだろうか。 ざっと思いつくものは、自社の商品やサービスを購入してもらうこと、顧客満足度があがること、自社やブランドのことを好きになってもらうこと、などなど。 ただ実際のチャットを行う現場では、トラブルシューティングが目的であり、ゴールとなってしまうケースも多いと思うが、本来的には、その先も見据えられたほうが、ビジネスへの貢献度は高くなる。 また、トラブルシューティングが目的の場合、達成されたもしくは達成することが見えた時点で、目の前にいる顧客に対しては興味が薄れてしまう可能性もあるだろう。顧客の問題を無事解決してしまったから、ほかの顧客への応対に重点を置いて、自分に課せられているKPIを達成しよう、という考えをするオペレータもいるかもしれない。 だが、そもそも顧客からの問い合わせをチャットで受けるということの本質を考えると、それは顧客のいま目の前にある問題を解決してあげることではなく、その先のさらに高次元ななにかを達成するためである。 したがって、チャットにおいては問題解決を測ることは必要だが、ゴールではないということを改めて認識すべきだ。ゴールは別にあり、そのための手段としてチャットがあり、そのチャットを評価する指標のひとつが問題解決であるにすぎない。 ※ゴールは企業ごとに異なるので、ここでは詳細を記載しない。

困っているけどお問い合わせしない理由

なぜ困っているのに、チャットでお問い合わせしないのでしょうか。 困っていない人がチャットをしない理由はわかります。チャットで問い合わせをする理由がないからです。 では、困っているのにチャットを使わないのはなぜなのか。理由は様々考えられますが、いくつか列挙して、理由を考えてみましょう。 チャットの存在に気付かない(未認知) 問い合わせをすること自体にネガティブ なにが分からないかがわからない ひとつめの「チャットの存在に気付かない」のは、サイトの運営側の責任です。当たり前ですが、チャットで問い合わせを受けたいのであれば、わかりやすいところに入り口を作るのは当たり前のことだと想像できます。この問題に気付くことができれば改善は簡単で、要は様々な場所に入り口を設け、どこからの流入が一番多いかを明らかにすればよいでしょう。 問題となるのは、ふたつめとみっつめです。 まず、ふたつめですが、「問い合わせをすること自体にネガティブ」というのは、誰しも経験があることだと思います。「果たして回答が返ってくるのか」「どうせ電話しないとだめなのではないか」「問い合わせをすること自体が恥ずかしい、したくない」など、ネガティブというところを掘り下げると様々な表現が浮かびます。 ただ、解決策はありそうです。 ひとつはチャットをユーザーからではなく、サイト運営側から開始することです。LINEに未読があると落ち着かない人がいるように、送られてきたメッセージを無視することは案外ストレスになります。ましてや、チャットという1対1の会話であり、吹き出しに書かれたテキストの向こう側に人がいることを考えると、なかなか無視を決め込むことは難しいでしょう。 もうひとつの方法は、最初の方法と似ていますが、ユーザーからアクションをしやすくしてあげる、という方法です。たとえばLINEスタンプのような、クリックすれば画像を送れるようなバナーにしておくことで、ユーザーから発信するというハードルを極限まで低くするという方法です。クリックするだけでしたら、だいぶ心理的ハードルが下がりそうですね。 とはいえ、良いところがあれば良くないところもあり、この方法だと、本来想定している問い合わせ以外までも増大することが予想できます。これをうまく制御するのは、やはりデザインと検証になってくるでしょう。どのデザイン(バナーデザインも、コミュ

サポートチャットの足りないところ

世の中には様々なチャットサービスがあります。最初に思いつくのは、お客様の相談にのったり、トラブルシューティングを行うサポートチャットではないでしょうか。 サポートチャットは、お客様の問題解決を行うものです。「困っている人を助ける」のが大義となりますので、「どれだけ多くの困っている人に応対することができたか」と「どれだけ多くの人を問題解決できたか」が最も重要な目標になります。 後者の目標は良いとしても、「どれだけ多くの困っている人に応対することができたか」が重要な目標であるのにかかわらず、実際に評価されているのは「お問い合わせがあった件数のうち、何件に対応することができたか」という、一般的に応対率と呼ばれる指標ばかり取り上げられがちです。 果たして、応対率をチャットのKPIとして取り上げることが正しいのでしょうか。 もちろん、重要な指標のひとつであることは言えます。困っている人は、さらにお問い合わせを行う人と行わない人に分けることができます。応対率を追い求める理由は、この困っていてお問い合わせを行う人の数を最大化することで、1件でも多くのトラブルシューティングをすることができるようになるからです。 ただし、「困っていてお問い合わせをしない人」についてはどうでしょうか。この考えの中では全く触れられていません。より多くの困っている人を助けるという目的であるのであれば、この「困っていてお問い合わせをしない人」に対してお問い合わせをさせる仕組みもしくは働きかけが必要なのではないでしょうか。 このブログでは、こういったチャットに関する細かいところを整理して、深堀りしていきたいと思います。よろしくお願いします。